結論
AI エージェントの Claude Code に頼めば、PC の Outlook を直接操作できます。
メールを読む、件数を数える、フォルダを作る、振り分けルールを追加する、過去のメールを移す。ここまで全部できました。
しかも、条件を細かく指定する必要はありません。
「重要なメールが埋もれる」「これはどこかログ用のフォルダに」くらいのざっくりした要望を投げると、メールを調べて案を出し、ルールまで作ってくれます。
何ができたか
今回やってもらったことは次のとおりです。
| やったこと | 中身 |
|---|---|
| メールを読む | 受信トレイの新着、件名、差出人、本文 |
| 数える・分析する | 差出人別・件名パターン別の件数、フォルダごとの件数 |
| 今のルールを読む | 条件・動作・順番を一覧にする |
| フォルダを作る | サブフォルダも含めて作成 |
| ルールを作る | 条件・移動先・順番を指定して追加 |
| 過去のメールを移す | ルールと同じ条件で、すでに届いているメールも移動 |
仕組み(ざっくり)
Claude Code は、PC 上でコマンドを実行できる AI です。
Windows には、PowerShell(Windows に最初から入っているコマンドの道具)から Outlook を操作する仕組みがあります。Claude Code がその仕組みを使うスクリプトを自分で書いて、実行してくれます。
こちらはスクリプトを1行も書いていません。 日本語で頼んだだけです。
使うための条件
- PC に 従来版の Outlook が入っていて、起動していること
(「新しい Outlook」ではこの方法は使えません)
- Claude には Microsoft 365 とクラウドで連携する機能もあります。ただし、私の会社のアカウントでは「管理者の承認が必要」と表示されて使えませんでした。PC の Outlook を直接操作する方法なら、その承認は要りませんでした
実際のやりとり
ここからは、実際に投げた依頼と、Claude Code がやってくれたことを順に紹介します。依頼の文は、ほぼそのままです。
① 「Outlook の内容って読み込める?」
クラウド連携がだめだと分かると、PC に Outlook が入っているかを確認したうえで、受信トレイの新着5件の日時・差出人・件名を読んでみせてくれました。
受信トレイの件数と未読数も一緒に出てきます。ここで初めて「本当に読めるんだ」と実感しました。
② 「振り分けルールを作れる?」
「作れます」と答えるだけで終わりませんでした。すでにあるルールの一覧と、直近30日に多く届いている差出人の上位を自分で調べて、振り分けの候補を出してくれました。
③ 「重要なメールが埋もれる。受信トレイに見なくていいのが多い」
ここがいちばん驚いたところです。
既存のルールについて、「名前と実際の条件が合っていない」「似たルールが重なっている」と指摘してくれました。何年も継ぎ足してきたルールなので、自分では気づいていませんでした。
④ 「1週間のうち4件以上同じものは、定常フォルダへ移してよい」
(途中で追加)「その中でエラーと通知がわかるようにしたい」
Outlook のルールには「1週間に4件以上なら」という件数の条件はありません。Claude Code はそれを説明したうえで、こう進めてくれました。
- 直近1週間のメールを集計し、4件以上届いているものを洗い出す
- それぞれについて、固定の条件のルールを作る
- 移動先は「定常\エラー」と「定常\通知」に分ける
作業の途中で要望を追加しても、そのまま案に反映してくれました。
さらに、基準をそのまま当てはめると困るところも指摘してくれました。
- 「今週から急に出始めたエラーがあります。新しい障害かもしれないので、定常にしないほうがよいのでは」
- 「人とのやり取りも4件以上に入りますが、同じ用件で何往復もしているだけなので対象外にします」
判断は人、そのための材料集めは AI。 この分担がちょうどよかったです。
⑤ 「Backlog や Redmine のチケット、会議通知は別のフォルダに。Backlog と Redmine はプロジェクト毎に分ける」
件名に入っているプロジェクトの識別子で、プロジェクトごとに件数を出してくれました。フォルダ名は私が日本語の分かりやすい名前に指定し直しています。新しいプロジェクトの通知は「その他」に入るようにしてくれました。
会議通知は少しややこしい話です。招待メールの中には出欠の返事が必要なものがあるので、「返事が必要なものは受信トレイに残して」と頼みました。
Outlook のルールでは、返事が必要かどうかを見分けられません。そこで Claude Code は次のように分けてくれました。
- これから届く招待:受信トレイに残す(返事をすれば Outlook が自動で受信トレイから消す)
- 承諾・辞退・キャンセルの通知:ルールで会議通知フォルダへ
- 過去の招待:1件ずつ調べて、「返事が必要で、まだ答えていなくて、これから開かれる会議」の招待だけを受信トレイに残す
ルールでできないところを別の方法で補ってくれたのは助かりました。
⑥ 「定時レポートは、どっかログに行って」
本当にこれだけの依頼です。
どのサーバーから何件届いていて、今どのフォルダにあるかを調べ、「ログ\定時レポート」というフォルダを作ってルールを追加し、過去の分も移してくれました。
⑦ 「いったん終わり。もう少し改変したいから、後で作業できるようにしておいて」
今のルールの状態、決めたこと、残っている課題、元に戻す方法をまとめた作業メモを作り、使ったスクリプトも保存してくれました。次回は「続きをやりたい」と言えば、そこから再開できます。
結果
- 受信トレイ:件数が約半分に減った
- 定常的な通知が片付き、本当に見るべきものだけが残るようになった
- 追加したルール:20件
- かかった時間:半日弱(ほとんどは、私が判断を考えていた時間)
安心して任せられた理由
仕事のメールボックスを触るので、最初は少し怖かったです。それでも任せられたのは、次のような進め方をしてくれたからです。
- 最初は読むだけ。 調べた結果と「これからやること」を説明し、了承を取ってから変更する
- 変更前に、今のルールを書き出して保存する
- 移したメールは1件残らず記録する(どこからどこへ、日時・件名)。この記録があれば元に戻せる
- 新しいルールは名前の先頭に番号を付ける。 消せば元どおりになる
- うまくいかなかったときは、保存する前に止めて原因を調べる
注意点
- Outlook が起動していないと操作できません
- 会社によっては、こうした自動操作を禁止していることがあります。社内のルールは確認してください
- 振り分けの判断(このメールは見なくてよいか)は、業務を知っている人にしかできません。AI に任せきりにはしないほうがよいです
おわりに
「振り分けルールを見直したい」と思いながら、ずっと手を付けられずにいました。面倒なのはルールを作ることより、何がどれだけ届いているかを調べることだったのだと、今回分かりました。
Outlook を操作できると分かったので、次は「今日の未読メールの要約」や「特定の案件のやり取りをまとめる」にも使ってみるつもりです。
参考
- Claude Code 公式ドキュメント:https://docs.claude.com/en/docs/claude-code/overview(2026年10月19日確認)
- Outlook のオブジェクトモデル(Microsoft Learn):https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/overview/outlook(2026年10月19日確認)

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