クラウドセッションは、Claude Code を自分の PC ではなく、クラウド(Anthropic が用意したサーバー)で動かす機能です。ノート PC を閉じても作業が続き、スマホから様子を見たり指示を足したりできます。2026年9月に正式版になったと報じられています。
※ 私は、ブラウザ(claude.ai/code)のクラウドセッションを試しました。ターミナルから始める方法(--cloud)、--teleport、スマホからは、まだ試していません。試していない部分は、公式ドキュメントで確認した内容です。
何が起きているのか
「クラウドで動く」と言われても、何をしているのかが分かりにくいので、流れを書きます。
- 新しい作業を頼むと、Anthropic のサーバーに、作業用のパソコン(仮想マシン。以下 VM)が1台、新しく用意される
- その VM に、GitHub にあるコードが取り込まれる(コピーされる)
- VM の中で、Claude が作業をする。ファイルの書き換えやコマンドの実行も、この VM の中で行われる
- 終わったら、結果が GitHub の「ブランチ」(変更を入れておく別枠)に送られる。そこからプルリクエスト(変更を取り込んでもらう依頼)を作る
- 自分の PC で続きをしたいときは、
claude --teleportで、その会話とブランチを手元に引き取る
大事な点は、作業は自分の PC のファイルではなく、GitHub から取り込んだコピーに対して行われることです。作業ごとに VM は新しく作られます。
何ができるのか
- PC を閉じても、Claude が作業を続ける
- ブラウザ、スマホの Claude アプリ、デスクトップアプリ、ターミナルのどこからでも始められる
- 作業を複数、同時に走らせられる
- 終わった作業を、自分の PC のターミナルに引き取って続けられる
使える条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラン | Pro、Max、Team。Enterprise は一部の席種のみ |
| コードの置き場所 | 基本は GitHub。つなぐ設定が必要 |
| 使えない場合 | Amazon Bedrock などのほかの提供元経由で使っているとき。API キーでのログインでも使えず、claude.ai のアカウントが必要 |
| 使えない組織 | データを保存しない契約(Zero Data Retention)や HIPAA の設定をした組織 |
料金の考え方
公式ドキュメントに書かれているのは、次のことです。
- クラウドの VM の料金は、別にかからない
- 使った分は、プランの利用枠(使える量の上限)に、ローカルの Claude Code や Claude のチャットとまとめて数えられる
- 複数の作業を同時に走らせると、そのぶん利用枠を多く使う
公式ドキュメントには、ローカルの Claude Code との料金の比較は書かれていません。ブラウザで実際に使った私の実感では、ローカルで使うより、クラウドのほうが利用枠は早く減ります。ただし、同じ作業で数字を測って比べたわけではなく、あくまで実感です。
気をつけたほうがよい点は、次のとおりです。
- 席を外している間にも作業が進むので、気づかないうちに利用枠が減りやすい(これは公式の記述ではなく、仕組みからの私の推測です)
- 作業を同時に何本も走らせると、その分だけ減る
- Projects(クラウドセッションを何本も立ち上げる機能)は、減りが早いと公式に書かれている
- ローカルの Claude Code と同じ枠なので、クラウドで使い切ると、手元の Claude Code にも影響する
使い始めは、小さな作業を1本だけ頼んで、利用量の表示がどれだけ動くかを見るのが安全です。
制約(できないこと・気をつけること)
コードの置き場所
- 取り込みと、プルリクエストの作成は GitHub が前提です。GitLab や Bitbucket のコードは、手元のコピーを送る形で使えますが、結果をその置き場所に戻せません
- 自分の PC の中にしかないファイルは、そのままでは使えません。GitHub に入れるか、手元のコピーを送る必要があります
クラウドの VM の環境
- Ubuntu(Linux)の VM です。自分の PC が Windows でも、中は Linux です
- 大きさは、CPU 4つ、メモリ 16GB、ディスク 30GB。大きなビルドなど、メモリを大量に使う作業は止められることがあります
- ネットワークは、最初は「Trusted」で、パッケージの配布元や GitHub など、許可された接続先にしかつながりません
- AWS の SSO のように、ブラウザでログインが必要な認証は使えません
- Docker は使えます
時間・状態
- 数分、操作がないと、VM は一時停止します(ファイルは保存されます)。次のメッセージで元に戻ります
- さらに放っておくと、環境が期限切れになります。開き直すと新しい VM になり、会話の履歴は戻りますが、裏で動いていた作業は戻りません
- Claude が実行するコマンドの待ち時間は、ふつうは2分、最大10分です。時間がかかるコマンドは、止められずに裏に回されます
引き取りと操作
- 引き取りは一方通行です。クラウドの作業は手元に引き取れますが、手元で進めている会話をクラウドに移すことはできません(デスクトップアプリからは送れます)
- 手元に引き取った会話は、手元の別コピーになります。その後の作業は、クラウドの会話には反映されません
- 引き取るには、手元に変更が残っていない状態で、同じリポジトリの中から、同じアカウントでログインして行います
/pluginや/resumeなど、ターミナルでしか使えないコマンドは使えません。/clearも使えません- 組織が IP アドレスで接続元を制限している場合、クラウドセッションは認証エラーになります
始め方
- ブラウザ:claude.ai/code を開く
- スマホ:Claude アプリの Code タブ
- ターミナル:次のように打つと、新しいクラウドセッションが始まります
claude --cloud "やってほしいこと"
クラウドで進めた作業を自分の PC に引き取るときは、次のコマンドです。
claude --teleport
秘密の情報に関する注意
- GitHub にまだ送っていない手元の変更は、ふつうはクラウドに届きません。GitHub につないでいないフォルダや、Claude の GitHub アプリが入っていないリポジトリから
--cloudで始めたときだけ、手元のリポジトリの履歴と、保存前の変更がまとめて送られます(100MB まで) - Windows の場合の注意:Mac・Linux・WSL では、
.env(パスワードなどを書くファイル)や鍵のファイルの保存前の変更は、送られないようになっています。Windows のネイティブ環境では、ファイルの名前に関係なく、そのまま送られると公式に書かれています。送りたくない変更は、先に戻すか、避けておきます - 共有の設定によっては、ほかの人から見える状態になります。共有する前に、中身に秘密の情報がないか確認するよう書かれています
頼み方の例
クラウドセッションで、次の作業をお願いします。
- 作業:(例)README の誤字を直して、変更点をまとめる
- 小さな作業なので、1本だけで進めてください
- 終わったら、何を変えたかを箇条書きで残してください
- パスワードやキーが書かれたファイルには触らないでください
出典(確認日:2026-10-15)
- Use Claude Code in the cloud(公式):https://code.claude.com/docs/en/claude-code-on-the-web
- Configure cloud environments(公式・VM の環境と制限):https://code.claude.com/docs/en/cloud-environments
- 「Claude Code」クラウド実行が正式版(PC Watch):https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2143165.html

コメント